野菜予報

野菜の価格予報 - 青果市場の相場情報や野菜のあれこれについて

「ばれいしょ」「じゃがいも」どっちを使うのが正しい?

同じものですので、どちらも正しいのですが、文脈によって使い分けられています。それぞれの経緯から書いてみます。

f:id:payornot:20160421095632p:plain

「じゃがいも」の由来

諸説ありますが南米原産であることは間違いありません。
それが大航海時代に大西洋を渡ってヨーロッパに持ち込まれます。
さらに欧州諸国の植民地であった東南アジアを経由して東アジア、日本に渡って来ました。

当時オランダのアジア貿易の根拠地であったジャワ島ジャカトラ(当時ジャガタラと呼称)から来たいもということでジャガタラいも、転じてジャガイモと呼ぶようになったとの説が有力です。

現代ではさらに砕けて「ジャガ」で通用します。新ジャガなんて使い方をしますよね。
じゃがいもという呼び方は親しみやすく、使いやすいことから一般的に広まったと考えられます。

ばれいしょ」の由来

ばれいしょは漢字で書くと「馬鈴薯」、「薯」は「いも」のことですが常用外漢字なので現代では「馬鈴しょ」と書きます。

日本では、江戸時代の植物学者が最初に馬鈴薯という言葉を使いました。馬鈴薯という言葉は中国の文献からとったものですが、実際にはじゃがいもに似た別のいもを指していたので間違いという指摘もあります。

現在では中国でもじゃがいものことを馬鈴薯と呼びます。Wikipediaの中国語版によると古代の馬につけた鈴の形状からとったと記載があります。(日本からの逆輸入呼称ではないかという説もあります。

中国でも日本でも、馬は濃厚馬や軍馬として親しみがあり、鈴はそれ自体印象が良いですし、農作物にとって「鈴成り」は喜ばしいことです。
馬鈴薯という言葉はイメージも良く、漢字で書けば数億人に伝わるわけですから実用的でもあります。

どっちが正しいのか

そもそも、じゃがいもにせよばれいしょにせよ、現代では総称であってジャワ島経由の一品種のことだけを指しているわけではありませんから、どちらにしても間違いというわけではありません。
これまで説明したような経緯から、一般には「じゃがいも」と呼ばれることが多く、公的・学術的にはほぼ「ばれいしょ」と呼称されます。

ばれいしょというと品種とか商品というイメージです。じゃがいもという呼び方は食材であり食事のイメージで美味しそうに感じます。(個人の印象です)
じゃがバター、肉じゃがと聞くと美味しそうですが、馬鈴しょバター、肉馬鈴しょでは馬感が邪魔して馬乳バター、馬肉のイメージがちらつきます。

ということで、どっちが正しいかという問いには、一般的には「じゃがいも」、公的には「ばれいしょ」が正しい感じはしますが、逆に使ったからといって間違いというわけではありません。

このサイトでは

ばれいしょ」と呼ぶことにしています。これは、このサイトの情報源である農林水産省、青果市場、学術研究などにおいてばれいしょの呼称が使われていることに習っています。

それらの情報を一般にわかりやすく伝えるのが目的ですので読者目線で「じゃがいも」と呼ぶ方が良いのかな、とも思っています。ですので、様子を見ながら呼び方を変える可能性もあります。

参考文献はWikipediaから辿ってみてください。

ジャガイモ - Wikipedia

马铃薯 - 维基百科,自由的百科全书